スポーツ・芸能・ウラ社会情報局

絶対表のメディアでは解らないネタを、ググっと解説!

『下品』『低予算』『ヂコチュー』民放バラエティー制作現場の正体

貧すれば鈍すってことね

先日テレビ東京系の出川哲朗の『充電バイクの旅番組』の中で、深夜10時前にも関わらず充電を求めて押し掛けた出川ら一行に、激怒した周辺住民が罵声を浴びせる動画が公開され、話題となった。

最近の民放バラエティーは、本当にレベルが下がった。3月に終了したTBS『世界ふしぎ発見』の様な良質な教養バラエティーは鳴りを潜め、安物芸人が騒ぎ立てる低俗な番組や、ちょっとかわいいだけて持ち上げられたアイドルの露出が異様に目立つ番組等、どれを観てもザッピングしたくなる様な有り様だ。

かつて『驚異の世界』『素晴らしき世界旅行』等のドキュメンタリーバラエティー制作に携わった元番組製作会社のエースだったQ氏に聴いてみた。

~今は『面白きゃ、それで視聴者やスポンサーが納得する』って風潮が、民放各局内に充満してますが、それではダメです。

ナショジオがやってるドキュメンタリーやNHKの『ワイルドライフ』など親子が知識を擽られる様な番組が、殆ど無くなりましたね。

事実民放各局は、カネが有りません。昨今の円安で、海外ロケが必要なのに、渡航費が暴騰して行けず、現地協力者から動画を買って、さも自分達がロケしたんだそ的な動画に編集する。海外識者に話を伺う何て、本来は現地へ行って手土産の1つや2つをぶら下げて伺うのが筋。ところが、リモート取材なんて当然の様にやってるし、果ては捏造すら疑われるネタも幾つか存在します。

今民放で辛うじて『良質な教養バラエティー』と言えるのはTBS『世界遺産』位でしょうか。ソニーという強力なスポンサーがついて、加えて一社提供という恵まれた条件ですが、そんな番組でも30分しか持たない。何故か?。要するに『中抜き』が増えて、昔なら60分番組出来る予算で30分しか編集出来なくなったって訳です~

テレビを文化に育てる志

Q氏は、番組製作会社在籍中に、ほぼ全世界を踏破する国を訪れた他、海外の指導者・著名人と幾度となく面会を許されてきた。Q氏は更に語る。

~テレビを文化として育てようって志が、今のテレビマンにはない。要するにニコニコ動画YouTubeTikTok等の個人動画が氾濫して、さもそうした潮流を取り入れないと、テレビは置いてきぼりを食らうって、現場の強迫観念が有ったんじゃないでしょうか?。

それは違う、と声を大にして、私は言いたい。事実照合や厳しい編集作業を経て放送される作品は『どうぞ、ウソだと思うなら、遠慮なく検証ください。』と胸を張って言えるものばかりでした。事実、今日BPO沙汰に成る番組の多いこと。昔なら、局存続すら危ぶまれましたからね。

それと現金掛け値無しで、番組制作に協力して頂ける方が昔は多かった。TBSで長年放送された『兼高かおる世界の旅』でMCを勤められた旅行作家の兼高かおるさんが、TBSが『海外ロケ費用が捻出出来ない』と泣きついたとき『じゃあ、知り合いの航空会社にお願いして何とかしましょう』と時のパンアメリカン航空に無理を承知で交渉して承諾して貰った。それがなければ、あの番組は出来なかったんです。

今は兼高さんの様な度量のある人は、テレビ界見回しても、全く居ません。六本木の飲み屋の席を開けると言った交渉なら出来るかも知れませんが、兼高さんの様に、時の大会社であるパンナム相手に、取材スタッフの運賃を80%ディスカウントさせる度量なんて誰も出来ませんよ。

2000年以降、資金力のある局にしか、良質な番組は作れなくなったんですよ。国民から税金の如く視聴料を巻き上げるNHKやフジオンデマンドの様なペイテレビが延びてるのは、そう言った背景じゃ無いですか?。自分達の電波や放送ワクがだぶついて、通販会社にせっせと切り売りしてるのは、正直許せないですね~

 

昔のテレビマンには『文化を作る』という情熱と使命感があった。YouTubeTikTokのモノマネしか作れない今のテレビ局に、何を期待してもムダだって事が、良く解った(笑)。