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文化放送(JOQR)「走れ歌謡曲」限定復活に見るQRとフジ・メディアホールディングスとの暗闘

リスナーから上がる歓声・その一方ギョーカイ内では「えッ?」

文化放送の深夜看板番組として、1968(昭和43)年から2021(令和3)年まで午前3~5時まで放送された「日野ミッドナイトグラフティ・走れ歌謡曲」が、今週の期間限定で復活する。

かつて「深夜ドライバーの恋人」と評され、落合恵子など著名人がMCを務め、坂本冬美藤あや子もMC経験者など「若手女性演歌歌手の登竜門番組」とまで言われた。

だが、スポンサーだった日野自動車工業による不正事件が2020(令和2)年発覚。これが決定打となって、2021(令和3)年春、惜しまれつつ、半世紀に渡る番組が終了した・・・実は表向きそう言う事だった。

なんとギョーカイ関係者は、この「走れ」復活放送が行われることを知って、異口同音に「エッ?」と表情を変えたのだ、何故か?。

オールナイトニッポン(ANN)第二部支援のため潰された「走れ」

ある元ラジオ放送制作者U氏は、こう証言する。

実はQRは、2000年代に入り、番組制作への過剰投資・大手(TBS・ニッポン放送(JOLF))に対抗して、高額ギャラでアナウンサーや芸能人を囲った事が祟って、経営危機に陥ります。引受先は「ラジオ日本」と言う噂が流れる中、突如QR支援に名乗りを上げたのが、アノ「フジテレビ(フジ・メディアホールディングス)」でした。フジは関東圏に、既に自前のラジオ局(LF)を持ってたため、早くから「フジは何か仕掛けるのかもしれない」とウワサが立ちました。

しかも、QRへの支援内容が怪し過ぎます。QRがフジに対して、株式の第三者割当増資を行ってフジが買い取るのが筋です。ところがフジは、LFの株式をQRに買わせ、それを担保にフジ・メディアホールディングスが融資するなどという奇怪極まりない内容で、QRの支配に乗り出すのです

また、別の元放送関係者L氏は、

フジがQRに対して、『「走れ歌謡曲」の早期放送終了と、吉田照美など進歩的なアナウンサーの追放が経済支援の前提』と、当時のQR経営陣に突き付けます。要するに深夜3~5時までは「走れ歌謡曲」圧勝状態で、フジ(LF)の「オールナイトニッポン(ANN)第二部」など、鼻にもかからなかった。そこでフジは、QRの経営危機を逆手にとって、QRへ土足で踏み込んで、自分達の好き放題にしてしまったんですよ。走れ歌謡曲は」「ANN第二部」の視聴率アップの人身御供にされたんです。スポンサーの日野が、2010年以降何度もQRに「一社スポンサーを降ろさせてほしい」ろ再三QRへ申し入れしてたのをフジは知ってたようです。とは言いつつ、フジは放送機関と名乗りながらヤクザ同然のやりようです~

 

「走れ」終了は文化放送(QR)終了まで追い詰めた

2021(令和3)年春から「走れ」に代わって文化放送(QR)で放送されたのが「ヴァイナルミュージック・歌謡曲2.0」。21年春改編の際に「社運を賭けてスタートします」などと大ぶろしきを広げてスタートしたが、蓋を開ければ視聴率はなんと1%台。同時期に始まったTBSテレビの8時台の「ラビット」と同じ状況。

深夜番組であるもの、その前の走れ歌謡曲」が視聴率5%台を平均的に叩き出すなどオバケ番組の後釜であったがため、すぐさまテコ入れが始まる。

翌年春には、局アナMCでやっていた「ヴァイナル土曜日」を引っ込め、元「走れ」のMCを立てた「ヴァイナルミュージックEK大人の歌謡クラブ」と一新。一部では「走れが復活した」との声も。

さらに悪い事は続く物で、「走れ」終了後もネットを続けていた福井放送が、2022(令和4)年9月にネットを打ち切り。加えて番組構成内容にQRが度々介入した事にキレた火曜パーソナリティの岡谷柚奈が、2023(令和5)年1月20日放送で、一方的に放送が同年3月20日に終了と爆弾を投下。これが引き金となって、各曜日のパーソナリティが、自分達の都合だけで勝手に放送終了日をコールする、日本放送史上前例のない「学級崩壊型放送終了」で、異例の形の終焉を迎えた。

 

「それはそれ」「これはこれ」ものを言い始めたQR関係者

ヴァイナルミュージック」の失敗を受け、CMを出稿した企業からはクレームの嵐。深夜帯だけでなく、昼間や土日夕方にCMを出稿してる企業からも、相次いでクレームが入っただけでなく、実際に引き上げられたケースもあったという。

QR社内では「原因追及」と「方針対策」を検討するチームが立ち上がったそうだ。そして彼らが得た結論は「『走れ歌謡曲』を復活しない限り、文化放送(QR)の復活もあり得ない」という事だった。

前出のU氏は、

~これまでフジやLFの関係者にモノを言わなかった番組制作関係者が「じゃぁ、そこはフジさんと一緒にやりましょう。でも〇〇~〇〇までは、ウチ(QR)に独自でやらせてくださいね。」と言い出したんです。

今年春のQR改編で、夕方に元フジ女性アナの長野智子がMCを務める情報番組が始まったんですが、予想外の好調で、他局から警戒されてます。

この番組の立ち上げに当たって、QRの関係者はフジ(LF)の長野智子のキャスティングを否定しませんでしたし、長野さんの良さを引き出すためのマーケティングを、QR関係者がフジ側に提供して番組を作った。番組制作の丁寧さにはQRは定評がありますし、フジの関係者が、今回のQRの情報番組制作立ち上げの一部始終を持ち帰って社内教育用に使ってると言いますから、凄いもんです。

そういった経過を経て、QR側も「そろそろ俺たち『走れ』やりたいんだけど、良いよね。」って言える環境になったのでしょう~

また、前出のL氏はこうも指摘する。

~恐らく日野に代わるスポンサーが見つかったのでしょう。そうでなければ、本番並みの編成は組めませんし。一説には「日立」じゃないか?って言われてます。

今の時代「一社スポンサー」引き受けられるのは「トヨタ」「SONY」「キャノン」「日立」位しかありません。なぜ「日立」なのかっていうと、TBS「世界ふしぎ発見」で一社提供が終わり、広告費に余裕があるからです。確か末期の日野は、スポンサー料1000万捻出にも苦しんでいたようですが、日立なら「ハイどうぞ」って交渉の場に持って来れるほど財政的に余裕があります。

しかし、去年の今頃は「マジでQR倒産」って記事を俺たちは見るんだろうって覚悟してました。冗談でなく、ホントヤバかった。

一方、前出のL氏は・・・

~「走れ」の復活に際しては、QRは相当フジ関係者への根回しは、凄かったんだろと思う。フジ・・・中でもニッポン放送(LF)内で「走れ歌謡曲」がどうのこうのいうと、みんなが睨みつけると言う位長年苦しめられてきた宿敵。そんな中で、元フジの長野智子をQRがキャスティング出来たのは「渡りに船」だろな。「長野を出したんだから、俺達も走れやるぜ」と言っても、フジ(LF)の関係者は反対しないんじゃないでしょうか~

 

暗闘の末3年ぶりに復活した「走れ歌謡曲」。果たして秋改編で「レギュラー化」されるだろうか?。