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大相撲・宮城野部屋「解体」で始まった「モンゴル閥追放」(前編)

「落ち目」大相撲起死回生の切り札として

大相撲・元横綱「白鳳」が親方を務めた「宮城野部屋」で起きた暴行致傷事件。刑事告発こそ「待った」は掛かったが、大相撲界としては、異例の「部屋解体」と言う処分となった。これまで「大横綱」と呼ばれ引退後に部屋を持った親方衆が、預かった部屋内でこの類の事件を起こしたことは数知れず。しかし、「宮城野部屋」だけが今回、なぜ「部屋解体」という前代未聞の処分に至ったのだろう?。

それには、近年の大相撲を巡る情勢を見ておかねばならない。

いわゆる「若貴曙」人気が土俵を去って以降、相撲界に有力な入門者が現れなかった。「双羽黒(元北尾)」の様に「人気優先・仮免横綱」にしても、結局は部屋内でおかみさんへの暴行騒動を起こして追放騒ぎを起こすなど、大相撲崩壊寸前だった。

そこで、日本相撲協会が目を付けたのは、海の向こうモンゴルからの候補生スカウトだった。スカウトが始まったころの日本とモンゴルの経済格差は、1体100。金が無かった日本相撲協会には「渡りに船」だった。この話を最初進めたのが、先々代の出羽の海親方とも、先々代の伊勢ケ浜親方とも言われたが、取材の中で定かにならなかった。

やり方としては、日本でいう中学校卒業レベルのモンゴル青年に「日本で腹一杯飯を食わせてやる」とスカウトし、両親にはスカウト料として日本円で約1万を払い(日本でのスカウト料の100分の1とか)鳥取城北高など、一時預かりの教育機関へ受け入れさせる。そこでインターハイ上位入賞など「新弟子検査所外」等のハクを着けさせ、いよいよ幕下付出デビューとなる。ある意味「特待生」入門と言うべきか。

 

好き放題やらせたツケが一気に

こうして入門した中には「朝青龍」「日馬富士」「白鵬」など平成期の大相撲を支えたとされる大横綱とよばれる者も少なくなかったが、その陰で「特待生扱い」された彼らモンゴル閥という集まりの「好き放題」「傍若無人」さ振りに、相撲協会は手を焼くことになる。

例えば「朝青龍」が本割で優勝を果たした日、本来なら部屋で支援者や部屋乃和歌集たちと飲めや歌えで歓待して貰うのが通例だが、朝青龍はそんな慣例を一体シカト。高級リムジンを呼びつけ、新宿歌舞伎町のキャバクラへ直行。朝稽古の開始寸前まで、飲めや歌えのどんちゃん騒ぎ。おまけに支払いを、部屋にツケで支払わせたという。

日馬富士」の女好きは角界でも有名で、優勝後に吉原のなじみの〇〇〇に土俵入りするのは「慣例」とまで言われていた。〇〇〇嬢をとっかえひっかえやり尽くし、相手が居なくなったら、次の〇〇〇へ土俵入りという「御乱交」繰り返したという。

そんな「モンゴル閥」の大暴れ振りで、一番相撲協会を激怒させたのが、モンゴルからのスカウトを一手に引き受ける現地の業者を、相撲協会に無断で設立し、以後はそのスカウト会社を通さずに、勝手にモンゴル人を大相撲へスカウトしてはならないという事にしてしまったのだ。

これは、引退後帰国してモンゴルの国会議員になった旭鷲山(きょくしゅうざん)がウラで仕掛けたといわれ、2017~18に廃業消滅するまで、相撲協会は二重のモンゴル人一人スカウトの度、このあっせん会社に一人当たり100万円の「あっせん料」を払っていたとされる。モンゴル出身力士の羽振りの良さは語り草だが、現役力士にその「あっせん料」から数%キックバックが入っていたという。その内「ちゃんこなんて食えるもんじゃない。外で食事してくる。」など、相撲部屋そのものの仕来りを、完全に無視するモンゴル力士が、続出することになる。だが、大相撲の興行続行を優先する相撲協会は「見て見ぬふり」を続けることになった。

 

角界浄化」を訴え、逆に刺された貴乃花親方

その「モンゴルの御乱行」に待ったをかけたのが、「平成の日本人大横綱」こと元貴乃花親方(花田光司)氏だった。同じ横綱で兄の若乃花こと花田勝氏が、相撲協会側についてモンゴル力士の乱行を黙認したのに対し、元貴乃花親方は「(相撲協会が)自助努力できないなら、協会を割って自分達は出て行く。」と錣山親方(元寺尾)など同調者を募って、「モンゴルを取るか?自分達を取るか?」と協会に迫った。

これに対して、当時モンゴル力士の取り仕切り役立った元横綱朝青龍は、当時の高砂部屋の支援者を通じ、暴力団やいわゆる「半グレ集団」を使って、相撲協会を脅迫すると共に、元貴乃花親方や同調者に対する「嫌がらせ」を始めた。具体的には、マスコミに対し、元貴乃花親方を出演させない様に圧力を掛けたほか、資金炎上を約束していた金融機関の取引先に付辺りを出させるなど、元貴乃花親方が表に出られない様に仕向けたという。

その結果、元貴乃花親方らの計画はとん挫した。それだけで気が済まないモンゴル閥達は、元貴乃花親方の相撲協会からの追放を要求。飲まねば、相撲協会と広域暴力団との交際の詳細をメディアにばらすと迫り、元貴乃花親方は協会を追放された。表むきは横綱日馬富士」と貴乃花部屋所属のモンゴル力士とのいざこざが、弟子の指導不足とされ、その責任を問われだったが、実際は「日馬富士」から「落とし前」を要求され「出来ぬなら景子夫人を一晩貸し出せ」と言う卑劣な要求に、もう協会には居られないとやむにやまれず理事を辞任したのが真相である。

その後も、元貴乃花親方への嫌がらせは続き、嫌気がさした妻で元フジテレビアナウンサーの河野景子は、数年前離婚した。表向きは「性格の不一致」とされてるが、連日連夜に渡るモンゴルの閥の差し金と見られる嫌がらせに、愛想が尽き果てたとみられる。

 

風向きを変えた放駒理事長

こうしたモンゴル閥による大相撲支配がしばらく続いたが、その風向きを変えたといわれるのが、名力士として名高い元大関・魁傑の放駒理事長(2010-2014理事長職)だと言われる。折も折、放駒理事長の下に、いわゆる「八百長疑惑」の話が持ち込まれる。事も有ろうに、幕内力士間で行われ、しかもモンゴル閥の力士が、事も有ろうに幕内力士の勝敗を巡って、いわゆる「相撲賭博」が行われ、そこに暴力団が資金を投下するという前代未聞の不祥事であった。

「内々に処理をしよう」と主張するモンゴル力士所属部屋の親方衆に対し、放駒理事長は「以後現在のモンゴル力士に関係する新弟子の受け入れはご法度とすべきである。そうした事は表に出さず、不祥事の事実のみ公表して、社会に謝罪すべきだ。」と一連の「八百長疑惑」の公表に踏み切るのであった。

                             (前編終わり・続く)